高血圧

血圧って?
血圧とは心臓から送り出された血液が、動脈の壁(血管)を押す力(圧力)のことです。
心臓がしぼんだとき(収縮期)と広がったとき(拡張期)、の血圧があり、一般に下の血圧と上の血圧と言われるものです。



 収縮期              拡張期

例えば血圧130/80であれば、収縮期130mmHg・拡張期が80mmHgとなります。

血圧があがるしくみ
血圧は「心臓の心拍数」と「抹消血管の抵抗」によって決まります。


■ 心臓の心拍数が多い
心臓が心拍数が多くなると心臓から流れ出る血液量が多くなり、収縮期血圧(最大血圧)が上がります。





■ 抹消血管の抵抗

 右の図のように血管の太さが細くなると
その分液体が出る勢い(圧力)が強くなります。
このように血管が狭くなると、
拡張期血圧(最小血圧)が上がります。


■ 生活習慣の修正
塩分の採りすぎ、肥満、運動不足などが血圧を上げる原因にもなります。

日本人の食塩摂取量は1日平均12gであり、日本の高血圧治療ガイドラインでは1日6g未満を推奨しています。



高血圧の診断
高血圧には
本態性高血圧症
二次性高血圧
大動脈縮窄症腎血管性高血圧・原発性アルドステロン症大動脈炎症候群などの病気 が原因となっておこる高血圧症
があります。
 ここでは①本態性高血圧について記載します。


高血圧ガイドライン(日本高血圧学会より抜粋)

日本高血圧学会のガイドラインでは血圧は130/85以下が目標となります。

血圧はいつも一定ではなく一日のうちでも運動や食事、入浴、ストレス、寒さなどにより血圧は上がりやすくなります。また、通常朝に起きた時からから上昇し、日中は最も高くなり、睡眠時は最も低くなります。

◎仮面高血圧…計測する時間により正常値の基準を満たしているものの、時間帯によっては高血圧となっている場合などもあります。
◎白衣高血圧…普段は正常血圧なのに診察室で医師が測定すると血圧が上昇する。

血圧の測定法
朝:起床語時間以内、排尿後、朝食前、服用前に測定するのが良いです。
夜:食事、入浴、服用、排尿をすませてから、就寝前に測定するのが良いです。

・椅子などに座り1~2分安静にしてから
・机などに腕をのせ心臓と同じぐらいの高さにします。
・できるだけいつも同じ側の腕で測ります。
・圧迫帯(カフ)は上腕に、指が一本程度はいる程度に巻きつけます。
・血圧の値は必ず記録しましょう。また、同時に心泊数も記録しましょう。


高血圧の自覚症状
高血圧は一般的に特別な自覚症状はありません。

しかし、時として頭痛、頭重感、めまい、耳鳴り、鼻血などの症状がでることもあります。
さらに高血圧を放置すると脳卒中や心臓病、腎臓病などの生命に関わることもおきる場合もあります。



高血圧と診断されたら・・
高血圧と診断されたら、まずは自分の運動量や食事を見直してください。

◎運動 30~60分程の適度な運動を週3回以上を目標にしましょう。
 無理な運動は逆効果で長続きしません。最初からゆっくり自分のペースで楽しみながら行ってください。

◎食事 ①塩分制限(6g以下/日)・・・日本人の平均塩分摂取量は約13gと言われています。そのために一日6g以下の食事にするには可能なかぎりの薄味にしてください。
    ②肥満は高血圧の増悪因子です。バランスよく、適量(腹八分)を食べましょう。

薬物療法
 治療を初めて、すぐに正常の血圧になることは危険です。 長い年月で徐々に上がった血圧を、急激に下げるとめまいやふらつきという症状が出る可能性があります。医師の指示に従ってゆっくり下げていきましょう。
 また、血圧の薬は動脈硬化などを治すものではありません。飲んで血圧が下がっていても、やめると血圧がもとに戻ります。
 薬を飲んでいるからといって生活をおろそかにしているとさらなる血圧上昇を伴うこともあります。薬を飲みながら適度な運動と食事療法を行ってください。

いのうえ内科
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